神風特別攻撃隊

2014/10/01

以前「神風特別攻撃隊」の元隊員の方のご葬儀をお手伝いさせていただいたことがありました。

日本で生まれ育った方であれば「神風特別攻撃隊」の事はご存知ではないでしょうか。

式は一日葬で、故人様の息子・娘・孫・曾孫に囲まれた大変温かい葬儀でした。

打合せの際やご葬儀までのやり取りの中で、そういった話をお聞きすることは
ありませんでしたが、喪主様からの御礼の御挨拶の際に故人様が戦後を
どのように過ごしてこられたのかを、私も少しだけ知ることが出来ました。

故人様は戦時中特別攻撃隊の隊員となり、出撃に備えていましたが、
ご自身が出撃する前に敗戦を迎えたそうです。

ご存命の際には、ご子息に「仲間が日本の為に散っていった中で生き残ってしまい申し訳が立たない」と
よく話していたとの事。

晩年には自分の祖国と子孫の為に、生き残った自分に何かできることはないかと考え
「臓器提供」を決意されたそうです。

最終的にご親族全員の同意が得られず、故人様の願いはかなわなかった形ではありますが、
沢山の子孫を残され、ご自身の戦争経験と精神を子供や孫たちに伝えた事は、
それだけで偉大なことではないかと思います。

日本人が根幹に持っている「私心を捨てて公に生きる」精神を目の前で感じ、
自分の現在の生き方を考えさせられる一日でした。